甘い支配の始まり《マンガ原作賞優秀作品》
「二人は寂しいクリスマスですか?」
冷やかしに来たんなら受けて立とう。パソコンを3台立ち上げながら二人を見ると
「そうでもないが?」
「だよな?」
二人が顔を見合せ俺の前に座る。
「榊原さん、栫井さんとより戻ったの?」
何だよ…その意味深な笑みは…
「壱には感謝してる」
「ふーん」
「聞いておいて興味なさげだな」
「紫乃以外のことですから…それに想定内の展開でしょ?聖さんは?」
聖さんの女関係は全く知らない。
「寂しくはない」
「彼女いるの?」
「…育んでるというか…温めてる」
「ふーん」
「お前…マジでムカつくトーンの‘ふーん’言うなよ。珈琲入れていいか?」
「聖、俺のも」
聖さんが立ち上がり勝手に珈琲のカプセルを選び始めた。絶対に紫乃を待ってるんだな、こいつら。