恋に落ちたら
車で移動すること30分。
茶色いレンガのマンションの前に車は止まった。駐車場は地下らしく、マンション横からスロープを降りていった。
車を止めエレベーターに乗り込むと8階のボタンを押す。
部屋の前まできて私の緊張はマックスとなった。
こんなことしていいのかな?と背徳感にも似た感情が頭をよぎる。
普通はどうってことないのかもしれないけれど私にとっては初めての男の人の部屋。
そもそも男友達もいないんだから経験したことがなくて当たり前。
清水の舞台を降りるような気持ちで一歩踏み出した。
「いらっしゃい」
「お、おじゃまします」
少しどもってしまい悟くんにも緊張が伝わったと思うが、表情には出さずにいてくれた。
部屋はいわゆる2DKで、部屋のドアが閉められているので寝室は見えなかった。
南向きなのか部屋が暑く、悟くんは窓を開け換気をしてくれた。
キッキンは生活感があるが片付いており、洗いカゴには一人分の食器がふせられていた。
リビングは茶系で揃えているのか落ち着いた雰囲気でまとめられていた。そもそもあまり荷物を置かないのかソファとテレビ、コーヒーテーブルにはタブレットが置かれているだけだった。床にはラグも敷かれておらず、本当にシンプルだと思った。
「よかったらソファに座って」
「あ、うん」
「アイスコーヒーとアイスティーどっちがいい? 誘うつもりがなかったからそれ以外の飲み物がないんだ。ごめん、それも買ってくれば良かったよな」
「ううん。アイスティーをお願いします」
「ちょっと待ってて」
悟くんは窓を閉めるとエアコンをかけ、バタバタとキッチンへ向かった。
「私も手伝います」
「いや、大丈夫だよ」
そう言うがガチャガチャと食器を出し入れしている様子を見ているといつもの落ち着いた雰囲気とは違い、悟くんも少しは緊張しているのかな、と思った。
茶色いレンガのマンションの前に車は止まった。駐車場は地下らしく、マンション横からスロープを降りていった。
車を止めエレベーターに乗り込むと8階のボタンを押す。
部屋の前まできて私の緊張はマックスとなった。
こんなことしていいのかな?と背徳感にも似た感情が頭をよぎる。
普通はどうってことないのかもしれないけれど私にとっては初めての男の人の部屋。
そもそも男友達もいないんだから経験したことがなくて当たり前。
清水の舞台を降りるような気持ちで一歩踏み出した。
「いらっしゃい」
「お、おじゃまします」
少しどもってしまい悟くんにも緊張が伝わったと思うが、表情には出さずにいてくれた。
部屋はいわゆる2DKで、部屋のドアが閉められているので寝室は見えなかった。
南向きなのか部屋が暑く、悟くんは窓を開け換気をしてくれた。
キッキンは生活感があるが片付いており、洗いカゴには一人分の食器がふせられていた。
リビングは茶系で揃えているのか落ち着いた雰囲気でまとめられていた。そもそもあまり荷物を置かないのかソファとテレビ、コーヒーテーブルにはタブレットが置かれているだけだった。床にはラグも敷かれておらず、本当にシンプルだと思った。
「よかったらソファに座って」
「あ、うん」
「アイスコーヒーとアイスティーどっちがいい? 誘うつもりがなかったからそれ以外の飲み物がないんだ。ごめん、それも買ってくれば良かったよな」
「ううん。アイスティーをお願いします」
「ちょっと待ってて」
悟くんは窓を閉めるとエアコンをかけ、バタバタとキッチンへ向かった。
「私も手伝います」
「いや、大丈夫だよ」
そう言うがガチャガチャと食器を出し入れしている様子を見ているといつもの落ち着いた雰囲気とは違い、悟くんも少しは緊張しているのかな、と思った。