独占欲を秘めた御曹司が政略妻を再び愛に堕とすまで
三十分程残業になってしまったので、普段よりも少し遅い午後六時三十分に自宅に到着。
何も考えずに開けた玄関で晴臣に出迎えられて、驚いた。
「お帰り」
「た、ただいま」
「遅かったんだな、残業?」
「あ、そうなの。表題登記の申請があったんだけど、ちょっと手こずってしまって。晴臣さんは珍しく早かったのね」
靴を脱ぎながらそう返事をしたものの、内心は結構動揺していた。
(まさかこんなに早く会うことになるとは)
夕飯の支度をしながら心を落ち着かせるつもりだったのに。
晴臣が帰って来たら落ち着いて昨夜の事情を聞いて、それから気を取り直して一日遅れのお祝いをして、それから……。
「ああ、さすがに疲れたからな。トラブルの目途がついたから帰って来た」
「よかった、解決したのね」
靴を揃えて立ち上がる。玄関近くの洗面台で手を洗っている間も、晴臣は瑠衣の側から離れなかった。
「昨夜は悪かったな」
「え?」
「結婚記念日だっただろ。出来れば帰りたかったが、どうしても俺が対応しなくてはならない案件だったんだ。海外VIPが滞在する部屋で問題があって……」
晴臣は淡々とした口調ながらも、詳細に仕事の様子を語り始める。
何も考えずに開けた玄関で晴臣に出迎えられて、驚いた。
「お帰り」
「た、ただいま」
「遅かったんだな、残業?」
「あ、そうなの。表題登記の申請があったんだけど、ちょっと手こずってしまって。晴臣さんは珍しく早かったのね」
靴を脱ぎながらそう返事をしたものの、内心は結構動揺していた。
(まさかこんなに早く会うことになるとは)
夕飯の支度をしながら心を落ち着かせるつもりだったのに。
晴臣が帰って来たら落ち着いて昨夜の事情を聞いて、それから気を取り直して一日遅れのお祝いをして、それから……。
「ああ、さすがに疲れたからな。トラブルの目途がついたから帰って来た」
「よかった、解決したのね」
靴を揃えて立ち上がる。玄関近くの洗面台で手を洗っている間も、晴臣は瑠衣の側から離れなかった。
「昨夜は悪かったな」
「え?」
「結婚記念日だっただろ。出来れば帰りたかったが、どうしても俺が対応しなくてはならない案件だったんだ。海外VIPが滞在する部屋で問題があって……」
晴臣は淡々とした口調ながらも、詳細に仕事の様子を語り始める。