独占欲を秘めた御曹司が政略妻を再び愛に堕とすまで
初めて深いキスをしたとき、瑠衣は体の力が抜けてしまったようで、晴臣の胸に倒れ込んで来たのだから。
そんな慣れていないところや、恥ずかしがって顔を赤くするところが可愛くて、くたりとしている彼女を更に求めてしまったのだが。
(そうだ。彼女は男慣れをしていなかった。あれが演技の訳がない)
それくらいは見分けられる。
という事は、瑠衣の数少ない、もしかして唯一の過去の恋人が瀬尾恭二だと言うのか。
日頃から瑠衣のセンスは晴臣と通じるものがあり好ましいと思っていたが、この件については理解できない。
(瀬尾のどこが良かったんだ?)
男の晴臣には分からない魅力があったのだろうか。
などと延々と考えていると、瀬尾が晴臣の顔を覗き込んで来た。
「どうした? もしかして怒ってるのか?」
こういう態度がむかつく。
「いや」
素っ気なく言い、バーのスタッフにギムレットをオーダーして、瀬尾の注意をそらした。
「あ、俺はジントニックを」
「それで、瑠衣とはいつ付き合ってたんだ?」
気持ちを落ち着かせてからそう問うと、瀬尾は待ってましたとばかりに食いついて来た。
「もう大分前だな。うちの会社の内定が出て暇を持て余してた時期。ナンパしたら引っかかってその夜は盛り上がってさ。それから一年くらい付き合ったな」
そんな慣れていないところや、恥ずかしがって顔を赤くするところが可愛くて、くたりとしている彼女を更に求めてしまったのだが。
(そうだ。彼女は男慣れをしていなかった。あれが演技の訳がない)
それくらいは見分けられる。
という事は、瑠衣の数少ない、もしかして唯一の過去の恋人が瀬尾恭二だと言うのか。
日頃から瑠衣のセンスは晴臣と通じるものがあり好ましいと思っていたが、この件については理解できない。
(瀬尾のどこが良かったんだ?)
男の晴臣には分からない魅力があったのだろうか。
などと延々と考えていると、瀬尾が晴臣の顔を覗き込んで来た。
「どうした? もしかして怒ってるのか?」
こういう態度がむかつく。
「いや」
素っ気なく言い、バーのスタッフにギムレットをオーダーして、瀬尾の注意をそらした。
「あ、俺はジントニックを」
「それで、瑠衣とはいつ付き合ってたんだ?」
気持ちを落ち着かせてからそう問うと、瀬尾は待ってましたとばかりに食いついて来た。
「もう大分前だな。うちの会社の内定が出て暇を持て余してた時期。ナンパしたら引っかかってその夜は盛り上がってさ。それから一年くらい付き合ったな」