独占欲を秘めた御曹司が政略妻を再び愛に堕とすまで
それでも、連絡をとり合っている内に瀬尾に気持ちが戻り、離婚したいと言い出されたらと不安が募った。
そんな不毛な時間を長く過ごして、ふと我に返った。
(何をやってるんだ俺は)
まるで初恋の熱に冒された少年のようにうだうだ悩むなんてどうかしている。
気になるのなら、はっきり聞くべきだ。
そして、昔の男と連絡を取り合うのはやめて欲しいと伝えてもいいはずだ。
自分の妻を独占して何が悪い。
どういう訳か突然強気になり悲観的な自分が馬鹿らしくなった。
いやこれが本来の自分なのだ。
悩むくらいなら行動する。最近はどうかしていたようだ。
(ちょうど来週結婚記念日だな。その日にゆっくり話合おう)
よく知らないまま夫婦になったふたりが、無事……とは言えないが一年過ごして来たのだ。
柄にもなく祝いたい気分になった。
晴臣は瑠衣が好むブランドのジュエリーをプレゼントとして購入し、その日を待ちわびていた。
それなのに。
帰宅しようとしていたところ、部下が慌てた様子で駆け寄って来た。
「神谷部長、宿泊担当から緊急連絡が。ハワードさまが滞在予定のホテルでトラブルとのことです。部屋の移動をお願いするしかないと思いますがスイートは全て埋まっています。近場の系列ホテルにご案内してもいいか指示をお願いします」
そんな不毛な時間を長く過ごして、ふと我に返った。
(何をやってるんだ俺は)
まるで初恋の熱に冒された少年のようにうだうだ悩むなんてどうかしている。
気になるのなら、はっきり聞くべきだ。
そして、昔の男と連絡を取り合うのはやめて欲しいと伝えてもいいはずだ。
自分の妻を独占して何が悪い。
どういう訳か突然強気になり悲観的な自分が馬鹿らしくなった。
いやこれが本来の自分なのだ。
悩むくらいなら行動する。最近はどうかしていたようだ。
(ちょうど来週結婚記念日だな。その日にゆっくり話合おう)
よく知らないまま夫婦になったふたりが、無事……とは言えないが一年過ごして来たのだ。
柄にもなく祝いたい気分になった。
晴臣は瑠衣が好むブランドのジュエリーをプレゼントとして購入し、その日を待ちわびていた。
それなのに。
帰宅しようとしていたところ、部下が慌てた様子で駆け寄って来た。
「神谷部長、宿泊担当から緊急連絡が。ハワードさまが滞在予定のホテルでトラブルとのことです。部屋の移動をお願いするしかないと思いますがスイートは全て埋まっています。近場の系列ホテルにご案内してもいいか指示をお願いします」