独占欲を秘めた御曹司が政略妻を再び愛に堕とすまで
卒業後は実家の料亭の経営を手伝うつもりでいたが、瀬尾の就職先が前村と関わりがあると言っていたのを思い出して、進路を変更した。
例え仕事とは言え、彼に再会したくなかったのだ。
結果として自分に合う職場に出会えたからよかったのだけれど。
就職してからも瑠衣は誰とも付き合わずに過ごしていた。
その頃になると異性不審も収まって来ていたけれど、心惹かれる相手に出会えなかったからだ。
お見合いで晴臣に出会うまでは。
彼と結婚してからは毎日幸せで、瀬尾のことなんて忘れかけていたのに――。
(まさかここで再会するなんて)
このバーは瀬尾のテリトリーなのだろうか。
つい先ほどまで、感じの良い店だと思っていたのに、今は一亥も早く立ち去りたい気持ちになっている。
だけど瀬尾が那々を狙っているのだとしたら、止めなくてはいけない。
(どうせ遊びで声をかけて来てるんだから)
彼女を自分のような目には合わせたくない。
もちろん紹介なんてするつもりはない。
口を閉ざしたままの瑠衣を怪訝そうに眺めていた那々は、気を遣ったのか自ら名乗り出た。
「瑠衣の同僚で石伊那々と言います」
瀬尾は本性を知らなかったら好青年と思われるような笑顔になった。
例え仕事とは言え、彼に再会したくなかったのだ。
結果として自分に合う職場に出会えたからよかったのだけれど。
就職してからも瑠衣は誰とも付き合わずに過ごしていた。
その頃になると異性不審も収まって来ていたけれど、心惹かれる相手に出会えなかったからだ。
お見合いで晴臣に出会うまでは。
彼と結婚してからは毎日幸せで、瀬尾のことなんて忘れかけていたのに――。
(まさかここで再会するなんて)
このバーは瀬尾のテリトリーなのだろうか。
つい先ほどまで、感じの良い店だと思っていたのに、今は一亥も早く立ち去りたい気持ちになっている。
だけど瀬尾が那々を狙っているのだとしたら、止めなくてはいけない。
(どうせ遊びで声をかけて来てるんだから)
彼女を自分のような目には合わせたくない。
もちろん紹介なんてするつもりはない。
口を閉ざしたままの瑠衣を怪訝そうに眺めていた那々は、気を遣ったのか自ら名乗り出た。
「瑠衣の同僚で石伊那々と言います」
瀬尾は本性を知らなかったら好青年と思われるような笑顔になった。