独占欲を秘めた御曹司が政略妻を再び愛に堕とすまで
(まさか……私のこと話してないよね?)

瀬尾は口が固い男ではない。うっかりまたは確信犯的に秘密を漏らすようなところがありそうだから心配だ。

「同期入社だからな。今は同じプロジェクトに参加しているし、同僚ってより友人って感じだな。瑠衣のことも話したよ」

聞きたかったことを瀬尾は自らペラペラ暴露してくれた。それは助かるが、状況は最悪らしい。

「私のことって、何を話したの?」

空気を読んで余計な発言をしないでいて欲しいが、期待しても無駄だろう。

「いろいろだよ。過去のこととか」

瀬尾が言葉と共に瑠衣の様子を窺うような目つきになった。

(私の反応を見て楽しんでるみたい)

瀬尾の仕草がいちいち来に障る。嫌いな相手だからそう見えてしまうのかもしれないけれど。

(そんなことより問題は晴臣さんに昔のことが知られてしまったこと)

それだけで相当ショックだが、更に怖いのは晴臣が事実を知りながら、触れて来ないところだ。

(どうして? 私には関心がないからどうでもいいの?)

「え? ねえ、ふたりは以前付き合ってたの?」

唖然とした様子で瑠衣と瀬尾のやり取りを眺めていた那々が、興味津々と言った様子で話しに入って来た。


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