独占欲を秘めた御曹司が政略妻を再び愛に堕とすまで
「まさか瀬尾さんが絡んでたなんて……一体何のために?」

晴臣から聞いた事実は衝撃的だった。

「それはこれから調べるつもりだ」

(浮気じゃなくてよかったけど、まずい状況なのは変わらない)

自分の彼女を同僚にけしかけるなんて、一体何を企んでいるのだろう。

瑠衣が眉間にシワをよせて考えてこんでいると、晴臣が躊躇いがちに口を開いた。

「瀬尾と昔付き合っていたと聞いた」

ドクンと鼓動が跳ねたけれど、正直に頷く。

「学生の頃に半年くらい。でも嫌な別れ方をして以来ずっと会ってなかったの」

「そうか……」

晴臣はどう思っているのか、表情からはうかがえない。

「実は昨夜偶然会ったの」

「え?」

「那々と晴臣さんの会社近くのバーに行ったんだけど、彼がそこに居て」

「それで? 何もされてないか?」

慌てた様子で聞かれてたので、少し驚いた。
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