独占欲を秘めた御曹司が政略妻を再び愛に堕とすまで

「俺はいつだって瑠衣を必要としている。でも伝わってなかったのか?」

彼の表情が悲しそうに見えて、正直に答えるのに躊躇いがあった。

「うん……自信が持てなかった」

それでも正直に応える。彼が落胆したのが伝わって来た。

「どうして自信がないのか教えてくれないか?」

「それは……」

瑠衣はごくりと息を呑んだ。

悩みながらもどうしても言い出せなかったこと。夫婦のすれ違いの根本とも言える。

(でも勇気を出さなくちゃ)

今の関係を変えて、この先も彼と一緒に居たいのだから。

「私たち半年前からずっと一緒に寝てないでしょ? だから……嫌われたんだと思ってた」

「え……」

晴臣が虚を突かれたような顔をした。まさか瑠衣がそんなことを言い出すとは思っていなかったのだろう。

「それは……ごめん。瑠衣が気にしているとは思わなかったんだ」

彼がそう言うのは無理もない。だって瑠衣はセックスレスが辛いと一度も訴えなかったのだから。けれど……。
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