偶然に巡り合う幸せってあるのですね

樹はとても手際が良く、無駄な動きが無い。
スマートな身のこなしだ。

外見もスラリとした少し細めの身体に高身長。
意志の強そうな眉の形と、涼しげな一重の切れ長の目元。
スッと細く高い鼻筋に、少し薄めの唇。
髪はしっかりと固めていて、動くと額に少し前髪が束で落ちていて、何とも言えない色気を醸し出している。
かなり眉目秀麗な男性だ。

女性の客は、そんな樹に見惚れているようだ。

私はいつも持ち歩いている推理小説を取り出し、読み始めることにした。
すると、あっという間に時間は過ぎたようだ。


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