交際0日、冷徹御曹司に娶られて溺愛懐妊しました
婚姻届けは区役所で無事受理され、吉鷹は茉莉花を乗せた車を再び走らせる。
「このあと仕事に戻る予定は?」
「ありません。早上がりさせてもらいましたので。吉鷹さんはお仕事ですか?」
お互いの両親に挨拶をしてからのこの一週間、何度か彼女を食事に連れ出したりして会う機会を作っていたが、茉莉花は一昨日あたりからようやく自然に吉鷹を名前で呼べるようになった。
「いや、せっかくの入籍記念だ、お祝いをしよう」
返事こそないが、茉莉花は前を向いたまま口元をわずかに綻ばせた。
三十分ほど車を走らせ、吉鷹が車を止めると、茉莉花は窓の外にきょろきょろと視線を泳がせる。
「ここって、ふ頭ですよね」
「まさしく」
「もしかしてクルーズ船に乗るんですか?」
察しの良さが吉鷹を笑顔にさせる。