交際0日、冷徹御曹司に娶られて溺愛懐妊しました

笑い合いながらグラスを持って乾杯。フレンチのコース料理がスタートした。

オードブルにはフォアグラと鶏レバーのムースからはじまり、六種のきのこのスープ、ポワゾンには国産ウナギのミルフィーユ仕立て。メインの仔羊のローストが運ばれてくる頃には、空はミッドナイトブルーに染まっていた。

遠く見える街や工場の明かりがディナーにロマンティックな彩を加える。入籍した神聖な気持ちのせいか、柄にもなく美しいと感じる自分がなんだか滑稽だ。

少なくとも大人になってからは、綺麗な景色に心を動かされたことなどなかった気がする。

不思議な気持ちを抱きながらコース料理を終え、吉鷹は茉莉花とデッキへ出た。さすがに夜の潮風は少し冷たい。
吉鷹はジャケットを脱いで茉莉花に肩からかけた。


「ダメですよ、吉鷹さんが寒いじゃないですか」
「俺は暑がりだから平気だ」


茉莉花がジャケットを返そうとしたが、それを阻止して茉莉花の肩を抱く。


「それに、茉莉花をこうする理由にもなる」
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