交際0日、冷徹御曹司に娶られて溺愛懐妊しました
「和装メイクで意識したいのは透明感です。ナチュラルな色のリップにすることで上品に見えるんですけど、どうでしょうか」
鏡越しに紫に仕上がりを確認する。
「もっと濃くしたい気もするわね……」
いつもお茶会では着付け以外は自分でするらしく、気張って派手に仕上げているという。そのため茉莉花が施したナチュラルメイクでは心許ないのだろう。
「では、ヘアアレンジをしてみましょうか。またイメージが違うと思います」
「早速お願い」
ヘアセットに入ると、紫がまじまじと鏡を見つめる。本当にいい仕上がりになるんでしょうね?という脅しにも似た疑いの眼差しだ。
気合を入れなおしてドライヤーを手にした。
ショートカットの髪を根元から立ちあがらせ、毛の流れに逆らうようにブローしていく。髪にこしやボリュームがなくなる年代のため、ふんわりやわらかく空気を含ませてからキープ力の高いスプレーで丁寧に仕上げた。
「いかがでしょうか」