交際0日、冷徹御曹司に娶られて溺愛懐妊しました
「寝るときに『茉莉花を蹴ったら大変だから、俺の体をベッドに縛りつけてくれ』って言ったり、家の中を移動するだけで手を繋いだり」
「それのどこがおかしいんだ。当然じゃないか。眠って無意識のうちに茉莉花のお腹をキックしたら、それこそ取り返しがつかないぞ?」
「吉鷹さん、そんなに寝相悪くないですけど」
これまで一度だって蹴られたことはない。朝まで茉莉花を腕に抱き、寝返りすら打っていないというのに。
「自宅の中で転んだらどうする」
「バリアフリーだから躓きません」
「フロアで滑る可能性もある」
「過保護過ぎます」
ことごとく切り返されて埒が明かない。出産したら、溺愛過多なパパになるのではないかと今から心配だ。
「ともかく、俺は俺のやり方で茉莉花を愛していくつもりだ」
店内にはたくさんの人がいるというのに、恥ずかしげもなく〝愛〟を持ち出されたため顔が真っ赤になる。
「照れるなよ」
「照れますよっ」
茉莉花が言い返すと、吉鷹はくくっと肩を揺らして笑った。