交際0日、冷徹御曹司に娶られて溺愛懐妊しました

「そんな……。まだ二カ月も経っていないのに?」
「二カ月も経っていないのに、ここへ来られるキミの神経こそどうかしていると思うが」


一時は結婚を考えた相手だが、あのまま式を挙げずに済んでよかったと思わずにはいられない。


「そういうわけだから、もう二度とここへは来ないでもらいたい」


立ち上がり、部屋のドアを開け放つ。彼女に退室を促した。
トボトボと足取り重く、結愛がドアまでやってくる。


「だが、最愛の相手と出会えたのはキミがあの場から逃げたからだ。感謝してるよ」


結愛のおかげで茉莉花と結婚できたのは間違いない。彼女があんな行動を起こさなければ、吉鷹は茉莉花と交わらずに人生を歩んでいただろうから。

結愛は意味がわからないといった様子で不可解そうに首を傾け、部屋を出ていく。

吉鷹は彼女の背中を見送るわけでもなく、すぐにドアを閉めた。プレジデントチェアに腰を下ろし、気持ちを切り替えて書類に目を落とした。
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