交際0日、冷徹御曹司に娶られて溺愛懐妊しました
いったいなにを話すつもりだろう。心臓がドクンと脈を刻み、第六感が小さな警告を発する。会うのは避けたほうがいい予感に包まれたが、今ここで追い返しても再びやってくる気がした。
(もしかしたら吉鷹さんに謝りたいのかもしれないし)
都合よく考えた直後、平日の昼間なら彼がここにいないのはわかっているはず。つまり〝妻〟に会うために訪ねてきたのだ。
しかし結愛には好きな人がいる。その人と生きていくために挙式から逃げたのだから、吉鷹の妻に会うのは単なる興味本位だろう。
そう結論づけ「わかりました」と答え、オートロックを解除した。
数分後、再度鳴ったインターフォンで玄関のドアを開ける。
結愛は顔を出した茉莉花を見て、まばたきを激しく繰り返した。
「伏見さん、あなただったの!?」
「荒巻様、その節はマリアンジュをお選びくださりありがとうございました」
どぎまぎしつつ、形ばかりの挨拶をする。
「ちょっと待って。頭の整理がつかない……」