交際0日、冷徹御曹司に娶られて溺愛懐妊しました

「ひとまず今日は帰るけど、もう一度よく考えてみて。彼にとってもっとも相応しい妻は誰なのか」


そう言い置き、ソファから立ち上がる。茉莉花の見送りも待たずに、スリッパの音をパタパタと響かせて玄関へ向かった。

そのすぐあとに玄関ドアが自動で施錠される音が聞こえ、茉莉花はようやく肩から力を抜く。そうして初めて全身が強張っていたのを知った。

結愛がここを訪れ、離婚を迫る事態なんて想像もしない。はっきりと自分の意思は伝えたが、果たして彼女に伝わっただろうか。――いや、全然伝わっていない。

彼女が再び茉莉花に接触を図ってくるのは明らかだ。

(でも、私は吉鷹さんと別れないし怯まない)

この手に掴んだ愛を絶対に離しはしないと、心に強く刻んだ。
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