交際0日、冷徹御曹司に娶られて溺愛懐妊しました
結愛の一方的な言いがかりだと頭ではわかっているが、吉鷹の式典を台無しにする要因を作ったのは紛れもなく自分だ。
茉莉花がハワイで結愛の逃亡に手を貸したのがはじまり。あのときに彼女を説得できていたら、この場を穢すことはなかった。
「ちょっと待て――」
「みなさん、ここにいる女性は私から吉鷹さんを奪ったんです。彼をたぶらかして、私を妻の座から引きずり下ろしたんです。この人は略奪者なんです!」
高らかに宣言した結愛の言葉により、招待客の同情が彼女に集まるのを感じずにはいられない。
スキャンダルともいえる告発が混乱の渦を巻き起こした。
「ふざけるのもたいがいにしろ。キミはなにを言っている。私の妻はここにいる茉莉花、ただひとりだ」
彼女から招待状を取り上げ、腕を掴んで取り押さえる。ステージのそばに控えていた長永や社員たちが、我に返ったようにバタバタと上がってきた。
「ちょっと、なにするのよ! 私が吉鷹さんの妻なの!」