交際0日、冷徹御曹司に娶られて溺愛懐妊しました

「池上さん」
「美春が!?」


驚いて思わず体を起こすと、吉鷹は枕を背中にあててくれた。


「観月建設に『どうしても緊急で知らせたいことがある』と連絡をくれていたんだ。茉莉花には絶対に内緒にしてほしいとお願いされたから、キミには黙っていたが」
「美春はなんて話したんですか?」
「荒牧結愛が父親の銀行を盾にして茉莉花に離婚を迫っていると。資金絡みでなにか企むかもしれないから、早めに手を打って茉莉花を守ってくださいとね」


茉莉花の知らないところで美春がそんなふうに立ち回っているなんて想像もしない。予期せぬ伏兵の登場だった。


「ただ、今日の就任式に現れるのを予測できなかった自分が腹立たしい」


吉鷹が握った拳で自分の太腿を忌々しげに殴る。


「吉鷹さんのせいじゃないですから」
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