交際0日、冷徹御曹司に娶られて溺愛懐妊しました

だから茉莉花にも〝花嫁を逃がした責任を負え〟と遠回しに言っているように聞こえる。


「じゃ、行こう」
「お待ちください。私はまだ行くとは――」
「チャンスのひとつやふたつ、くれてもいいんじゃないか? 犯した過ちを素直に認めているんだ。更生する機会くらい与えてくれ」


もっともなことを言われ、断りづらくなってしまった。

間違いは誰にでもあるものだし、茉莉花だってそう。花嫁の逃亡を手伝うなんて、ブライダルサロンに身を置くものとして前代未聞。過失といってもいい。
それなのにマネジャーの菊川は許してくれた。それなら茉莉花も、他人の過ちを受け止めてあげるべきなのかもしれない。


「……わかりました」


茉莉花が折れると、吉鷹は満足そうにすぐそばの歩道併設のコインパーキングに止めてある車に案内した。
ピカピカに輝いた黒い高級車の助手席に乗せられる。


「運転手さんは……?」
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