交際0日、冷徹御曹司に娶られて溺愛懐妊しました
「しかし、どこのお嬢さんなんだね? お父様はなにをされている?」
「父さん、その前にまずは自己紹介をしてもいいんじゃないか」
矢継ぎ早に質問をした父親に吉鷹が苦言を呈す。自分の上司でもある父親にも容赦がない。
「そうだな、失敬。私は吉鷹の父の徳之介です。こっちは妻の」
「紫です。それで伏見さんのお父様は?」
それぞれに名乗ったあと、話題がすぐに元に戻る。
「父は設計事務所の所長をしております」
やはりステイタスが気になるのだろう。観月家とつり合うか、親戚になっても恥ずかしくない家柄か。チェックの目は厳しい。
わかっていたとはいえ唇が震える。
「彼女のお父様は都内で事務所を開いてる。うちもよくお世話になってる設計事務所だ」
「設計事務所ねぇ……」
徳之介と紫は顔を見合わせ苦笑した。歓迎ムードがまったくないのは明白だ。