交際0日、冷徹御曹司に娶られて溺愛懐妊しました
用意していた手土産をテーブルに滑らせる。事前に吉鷹から情報を得て、母親の好物であるゴルゴンゾーラのチーズケーキを準備していた。
「あら、あなたは……」
「ハワイの?」
頭を下げた茉莉花を見て、両親はそれぞれ気づいた様子だ。
「あのとき花嫁役を急遽引き受けてくれた茉莉花さんだ」
「その節はご挨拶もろくにできず失礼いたしました。僭越ながら、よ、吉鷹さんとお付き合いをさせていただいております」
紹介を受けて続けると、両親は目を丸くしたまま向かいのソファに座った。
彼の名前でつっかえたがなんとか呼べ、小さく安堵する。
「いったいどういうこと? 結婚したい女性が彼女なの?」
「そうなんだ」
吉鷹に手で促され、ふたり並んで腰を下ろす。