交際0日、冷徹御曹司に娶られて溺愛懐妊しました
「観月建設は、政略結婚しなければ発展できないような会社ではないはずですよ」
吉鷹の最後のひと言が彼らの背中を大きく押したのが目に見えてわかった。ふたりとも大きく頷いたのだ。
「そもそも逃げ出すような相手を選んだ、私たちの不手際もある」
「西宮大臣に顔向けできなくなるのも困るわ。就任式では妻として紹介する段取りになっているし」
ここへ顔を出したときに渋るような様子だったふたりの結論が、了承に傾いていく。
彼らも、観月家や観月建設の面目を保つのがなにより重要なのだろう。
「わかった。そちらのお嬢さんとの結婚を認めよう。いいだろう? 紫」
「そうね。それが一番かもしれないわ」
徳之介と紫も覚悟を決めたようだ。
「ありがとうございます」
深く頭を下げた茉莉花に「吉鷹をよろしく頼みますよ」と優雅に微笑んだ。