交際0日、冷徹御曹司に娶られて溺愛懐妊しました

「うちの両親には、私たちが愛し合っている普通の恋人の設定にしてもらえますか?」


茉莉花が担当した挙式で花嫁の身代わりをしたうえ、花婿の社長就任式に間に合わせるために結婚するなどと知ったら、両親はきっと卒倒してしまう。ただでさえ相手は父親の仕事に繋がりがあり、それが観月建設の御曹司なのだから。


「もちろん、そのつもりだ。そもそも俺はすでにそういう認識でいる」


吉鷹は、さも当然とばかりだ。一瞬ドキッとしたが、そう考えてくれているのなら問題なく両親に紹介できる。


「まぁ、キスもセックスもまだだけど」
「なっ、なにを言うんですか!」


耳元で囁かれて飛び上がる。
吉鷹は茉莉花の反応を見て楽しげに笑った。

(完全にからかわれてる……!)

唇を噛みしめ湿気を含んだ瞳で彼を見つめていると、吉鷹に「ほら、行くぞ」と手を取られた。

玄関ドアに手をかけ手前に引っ張る。茉莉花が来るのがわかっていたため、鍵を開けておいてくれたのだろう。
< 88 / 293 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop