交際0日、冷徹御曹司に娶られて溺愛懐妊しました

吉鷹がここぞとばかりに爽やかな好青年ぶりをアピールする。さすがは御曹司、身のこなしは優雅だし、まったく動じていない。


「茉莉花の父の哲郎です」
「母の和美です。狭いところですが、どうぞお上がりください」


和美に促され、揃ってリビングへ案内された。
布製のソファセットとキャビネットがあるだけの、なんの変哲もない部屋である。彼の立派な実家に行ったあとだからか、ひどく狭く感じる。

吉鷹と並んで座り、向かいに哲郎が座る。和美はお茶を淹れ、それぞれの前に置いてから哲郎の隣に腰を下ろした。


「こちらをどうぞ。どら焼きが大変お好きとうかがったので」


吉鷹がすかさず手土産のどら焼きの入った紙袋をテーブルに置く。


「まあ! どら焼き!? ありがとうございます」


受け取った和美はまだ食べてもいないのにほくほく顔だ。
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