私(俺)の不器用な愛情表現【番外編】
私は分からないように。
全然嬉しくない素振りもした。
冷たくした。
だけど、彼は全て分かっていたのかもしれない。
普通は分からないのに。
なんで私のことをそこまで知っているの?
なんで分かるの?
その想いが強くなる。
2月25日。
一斉下校だった。
前期試験に落ちた私は中期が控えていた。
みーちゃん達と途中まで帰る。
別れ道でだべった。
千夏は毛虫を触ったらしく、騒いでいて、触った手を電柱ににしくってたら。
「大丈夫か?」
ってお爺さんに声をかけられて。
「毛虫に触っちゃって!」
なんて話して。
千夏の誰とでも仲良くなっちゃうとこすごいけど、笑える。
そんなこんなで、早く帰ろってなって。
そこからは1人で自転車に乗って帰る。
途中で前から誰かが走ってきた。
煌くんだったら。そう思うけど、違った時嫌だから。
橋本くんだろう。って思うことにした。
だけど、その人は煌くんで。
違うと思っていたから。ビックリしてたら煌くんにクスッて笑われた。
ただ、それだけなのに。頑張ろう。そう思えた。
煌くんは、蛍光オレンジの靴に変わっていた。
今までは白地に赤の靴だったのに。
そして、真っ赤なウィンドブレーカーに下は黒のウィンドブレーカーだった。