恋がはじまる日
「そっかぁ、椿は恋を知ってるんだ。私はまだよくわからなくて。高校二年生にもなって、初恋がまだって、遅いのかな?」
周りのお友達は好きな人がいたり、恋人がいたり、恋を知っている子は多い。
私はまだよくわからなかった。好きになる気持ち、それは友達や家族を好きな気持ちと、なにが違うのだろうか?私はその時が来たら、それを恋だとわかるのだろうか?
すっかり暗くなった夜空に、二つの星が並んで光っているのが見えた。星座には詳しくないけれど、すごく綺麗だった。
「美音。あのさ、俺、美音に伝えたいことがあるんだ」
「うん?」
そういえばこの前、椿の家に行った時も、何か話そうとしてたっけ。それと関係あるのかな?
「美音、俺、」
そう椿が話始めたところで、土を踏みしめるじゃりっとした音がすぐ近くで聞こえた。
私の隣で乱暴に腰を下ろす音がして、私達は一斉に音の方を見る。