恋がはじまる日
「邪魔したか?」

「藤宮…」

「藤宮くん!」

 藤宮くんも来たんだ!


 椿が大きくため息をついた。


「なんでこう、いつも邪魔されんだろ…。
お前、最悪のタイミングで来たな。俺への宣戦布告と受け取るけど、いい?」

「別にそういうつもりじゃないけど、まぁ好きにすれば?」

「つーかいっつも美音の隣に座るのやめろよ。俺の隣に座れ!」

「嫌だけど」


 私を間に挟んで二人は話続けているけれど、さすがに私も気になったので口を挟むことにする。


「ねぇ、なんの話?椿、私に伝えることって?」

「えっ」


 椿はたじろぎながら、私と藤宮くんを交互に見る。


「ごめん、美音。今度絶対に伝える!だから待っててほしい」


 彼があまりに真剣に言うので、私はその言葉を信じて待つことにした。


「うん!分かった。なんの話かよく分からないけど、その時が来るまで待ってるね」

「ありがと!」

 椿は少し困ったように笑った。
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