黒い龍は小さな華を溺愛する。

ドキッとした。

あの後……どうなったんだろう。

きっと酷い状況になっているはず。

そう考えるだけで身震いした。


「負傷者はいるけど、メンバーはみんな無事だって!」


「よかったぁ……」


一気に力が抜け、私はその場にしゃがみ込んだ。


しばらくして、展望台の下から複数のエンジン音が重なって近づいてきた。

闇の中に、バイクのライトが次々と浮かび上がる。


「来た……!」


紫藤くんが息を吐くように言った。


やがて、数台のバイクが展望台の手前で止まり、男たちが降りてきた。

みんな顔や手に怪我をしていて、無傷ではなさそう。

最後に降りてきたのが常盤くんだった。

フードはもう取っていて頬に小さな傷、服に返り血が付いているけど、立っている姿はいつもと変わらなくてほっとした。

目が合った瞬間、胸の奥がぎゅっと締め付けられた。


「いやー全員無事でよかった!50人近くいたのになぁ!よくこの数で勝ったな!」


紫藤くんがそう言って、他のメンバーと肩を組んで喜んでいる。







< 268 / 297 >

この作品をシェア

pagetop