黒い龍は小さな華を溺愛する。
ドキッとした。
あの後……どうなったんだろう。
きっと酷い状況になっているはず。
そう考えるだけで身震いした。
「負傷者はいるけど、メンバーはみんな無事だって!」
「よかったぁ……」
一気に力が抜け、私はその場にしゃがみ込んだ。
しばらくして、展望台の下から複数のエンジン音が重なって近づいてきた。
闇の中に、バイクのライトが次々と浮かび上がる。
「来た……!」
紫藤くんが息を吐くように言った。
やがて、数台のバイクが展望台の手前で止まり、男たちが降りてきた。
みんな顔や手に怪我をしていて、無傷ではなさそう。
最後に降りてきたのが常盤くんだった。
フードはもう取っていて頬に小さな傷、服に返り血が付いているけど、立っている姿はいつもと変わらなくてほっとした。
目が合った瞬間、胸の奥がぎゅっと締め付けられた。
「いやー全員無事でよかった!50人近くいたのになぁ!よくこの数で勝ったな!」
紫藤くんがそう言って、他のメンバーと肩を組んで喜んでいる。