黒い龍は小さな華を溺愛する。

「ずっとここにいてぇけど……あっち戻るか、宗佑がうるせーし」


名残惜しそうに腕が離れて、手だけは繋がれたまま。

そのままメンバーのところへ向かった。



「お!戻ってきたー。手なんか繋いじゃってさぁ」


案の定、紫藤くんがニヤニヤしながら寄ってくる。


「紫藤くん……本当に、色々ごめんね」


「ううん!解決してよかったよ!」


紫藤くんもすっきり安心したような表情だった。


「あと上着も……」


紫藤くんが肩に掛けてくれた上着を渡そうとしたら、それを常盤くんが勢いよく取って紫藤くんに放り投げる。


「え、乱暴ー!せっかく貸してあげたのにっ」


「もう必要ねぇから返す」


「嫉妬しすぎだろ!」


「は?」


「てか……夕晴も夜景よりいい景色見てきた顔してんな!?」


冗談交じりにそう言う紫藤くんに、「調子乗んな」とだけ返す常盤くん。

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