黒い龍は小さな華を溺愛する。

「……ありがとう。常盤くんがいてくれたから、言えたんだよ」


ずっと握ってくれていた手が心強くて。


「でも沙羅のお母さんも、不器用な人なんだと思う」


「うん……あんな過去があったなんて知らなかった」


「あの人なりの守り方だったんだろうな……沙羅のこと手放したくなかったんだから」


まさかそういう事情があったなんて、知らなかった。


もっと早く打ち明けてくれてたら……


全然ちがかったんだろうな。


「もっとお母さんと話をしてみたいな……」


「おう、ガッツリ話せ。今までの分な」


そう言って私の頭にポンと手を置いた。


「あのさ……いつか、常盤くんのお母さんにも会ってみたい」



あまり話に出さない方がいいのかなと思ったけど……

常盤くんが大事にしていたお母さんに、ずっと会ってみたいと思っていた。



「母親に?……俺が連れてっても誰かわかんねぇと思うけどな」


< 282 / 297 >

この作品をシェア

pagetop