黒い龍は小さな華を溺愛する。

冗談みたいに笑う。

でも、その目の奥にほんの少しだけ影が見えた気がして。


「……それでも、会いたいよ。常盤くんを産んでくれた人だもん」


そう言うと常盤くんはしばらく黙ってから。


「わかった……今度、一緒に行くか」


優しく笑ってそう言ってくれた。


強いだけじゃない。


常盤くんの中にある、誰にも見せてない弱さも知りたいって思う。


この夜を越えた私達は、もう一人じゃない。


そう思えたことが、何より嬉しかった。


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