黒い龍は小さな華を溺愛する。

一人じゃないから。



何もない平凡な日々が続いていた。

でもこんな当たり前の毎日が幸せで。

常盤くんの隣にいれることが奇跡のように感じていた。

秋元はというと、あれから何の音沙汰もなしで、紫藤くんの話によるとDemonの内部は完全に崩れてもう名前だけの存在らしい。

数十人いたメンバーも今じゃたったの数人だとか。

最後は拍子抜けするくらいあっけなくて、

紫藤くんが

「DRAGONKINGと対等に戦えると勘違いしてたようだねー」

なんて笑っていた。

本当に良かった……誰かを裏切ったりするような人たちと、関わりたくなかったから。



数日後――


私は常盤くんと総合病院を訪れていた。


常盤くんのお母さんに会うために。

途中お花屋さんに寄って、チューリップも買ってきた。

これを見て少しでも喜んでくれるといいな……。


「沙羅が少しでも嫌だと思ったら帰るから。そん時は言って」


「大丈夫だよ、私の事は気にしないで」





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