黒い龍は小さな華を溺愛する。

白い廊下と消毒の匂いに、少し緊張する。

常盤くんの足が止まる。


部屋のドアに【常盤京子】と名前が書かれてあった。


常盤くんのお母さんの名前だ……


トントン


「失礼しますっ……」


部屋に入ると2人部屋で、明るい日差しが差し込む窓際が常盤くんのお母さんのベッドのようだった。


私達が行くと、常盤くんのお母さんは横になっていてこちらの方に顔を向けた。


「……母さん」


「……どちらさま?」


その言葉に胸が苦しくなった。


私ですらそうなんだもん、常盤くんはもっと辛いはず。


だけど、もう慣れているのか「夕晴だよ」と返していた。


それでもすぐにはわからない様子で、目がうつろだった。


綺麗な目鼻立ちは常盤くんそっくりだったけど、覇気がない目つきに顔も色白で、腕はとても細かった。


「あ、あのっ常盤くんと仲良くさせていただいてます、宇崎沙羅と申します!」


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