黒い龍は小さな華を溺愛する。
戻ると常盤くんのお母さんは再び横になっていて、常盤くんはその横で椅子に座っていた。
「そろそろ帰るか」
私が来たのを見て、常盤くんが腰を上げる。
私は慌ててベッドの横へ行き、常盤くんのお母さんの近くへ行った。
「また来ますね!」
すると、手を伸ばし私の手にそっと触れてきた。
「……夕晴を、お願いしますね」
「え……」
その言葉に、常盤くんも驚いて振り返る。
「また二人で来て……」
言葉はゆっくりでも、はっきりしていた。
胸がじんわりと熱くなる。
「はいっ、絶対にまた来ます!」
ぎゅっと握り返すと、常盤くんのお母さんが微笑んでいた。
常盤くんのこと、わかってるのかな……
どうなのかわからないけど、そう言ってくれたのがすごく嬉しかった。
病室を出て、常盤くんが小さく息を吐く。
「……沙羅パワー、強えーな」
「えっそう!?」
「チューリップといい、さっきといい……お前がいると記憶戻んのかな」