黒い龍は小さな華を溺愛する。

「俺さ、沙羅のこと失うのが一番怖ぇんだよ」


私は近づいて、胸元に顔を預けた。


「私も同じだよ……」


服越しに感じる鼓動が、少し早い。


そっと腕が回される。確かめるみたいな抱きしめ方。


「今日は……帰さなくていい?」


その言葉に、心臓が跳ねる。


「うん……」


「この前焦るなって言っといてかっこわりぃけど……やっぱ俺が限界だわ」


「そんなことないよ」


触れるか触れないかの距離で、視線が絡む。


からかうような笑みは消えていて、そこにあるのは真剣な目。


「大事にする」


唇がそっと重なる。

一度離れて、もう一度今度は少しだけ深く。

焦らされるようなキスに、息が乱れる。


「見えるとこに付けたい」


キスマーク……だよね。


「あ、でも……」


「いーじゃん。魔除けってことで」


魔除けって!

でもこれのおかげで私は難を逃れたんだよね……。

首筋から、胸元へ。

この前はここで終わったけど、今日は上の服も脱がされた。


「は、恥ずかしい……」


顔から火が出るくらい熱い。




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