黒い龍は小さな華を溺愛する。

「全部見せろよ、大丈夫だから」


すごく恥ずかしいけど……不思議と怖くないって思えた。

この人が本当に私の事を大切に思ってくれてるのが、わかるから。

全部委ねてもいいって思えた。


「綺麗すぎて直視できねぇ……」


顔を手で押さえて深呼吸している。


そして何度も平気か聞いてきた。


優しすぎて涙が出てくる。


痛みだって、喜びに変わる。


初めての人が常盤くんでよかったな……。


何度も確かめあうみたいに、触れて、温度を分け合って。


抱かれている間、歩道橋の上でのことを思い出していた。


あの時助けてくれていなかったらどうなっていたんだろう。


地獄みたいな毎日を救ってくれたのは常盤くんだった。


でも、あんな日々があったからこそ今こうして常盤くんの隣にいれるんだよね。




「愛してる……」



心の底から、そう思うよ。


この世界から消えようとしていた私を


あの時必死に掴んでくれて、


ありがとうって。



――END――


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