俺様外科医は初恋妻に一途な愛を貫く~ドSな旦那様の甘やかし政略結婚~
私の入院は十日ほどになるようだ。

「兄さんと美桜さんの関係を隠したかったのは、ただ俺が千里の悲しむ顔を見たくなかったからだ」

おもむろに隆成さんが胸の内を曝け出し始めた。

「ただ私を悲しませたくなかったから……?」

言葉の意味をすぐには理解できなかった。

「ああ」

……そういえば、昔光一さんと美桜さんのキスシーンを目撃したとき、隆成さんは『兄さんの意思かどうかわからない』とか『女の子のほうから一方的に仕掛けただけかもしれない』などと言って私を慰めてくれた。

あのときは無責任に適当なことを言わないでほしくて腹が立ったけれど、もしかしてあれもただ私を悲しませたくなかったからだろうか。

だとしたら、隆成さんは不器用すぎる。隠したって、ごまかしたって、一時的なものでしかないのに。

それでも真綿で包んで守ろうとするなんて。

「……隆成さんは過保護ですね。私はそんなに弱い女じゃありませんよ。失恋しても立ち直れるし、ちゃんと現実を受け止められます。それに昨日、光一さんと美桜さんに会って、深く想い合うふたりの姿が見られて心からうれしかったんです」

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