俺様外科医は初恋妻に一途な愛を貫く~ドSな旦那様の甘やかし政略結婚~
隆成さんは私のおなかを少し触診しただけで素早く腹膜炎の可能性を考えていたから、まさか見逃されることがあるなんて思いも寄らなかった。

ストレスだと主張していた自分に、今さらながらぞっとする。

「お父さん、お母さん、心配かけてごめんなさい」

「今はゆっくり体を休めなさい。また来るからね」

優しく微笑む両親の後ろに、隆成さんもいることに気がついた。

彼も私が麻酔から覚めるのを待ってくれていたようだ。

両親は隆成さんにお礼の言葉を口にすると、病室をあとにした。

個室には私と隆成さんがふたりきりになる。

「……私にメスは入れられないって言っていたのに」

やっぱり隆成さんにできないことなどないのだ。

「そうだな。腹腔鏡下手術を選択したが、四カ所ほど皮膚を切開した。千里を失いたくない一心だった」

真剣な眼差しに、胸がぎゅっと締めつけられる。

「……助けてくれてありがとうございました」

溶ける糸で縫合したので抜糸は不要だそうだ。今は縫った上からきれいに傷がくっつくようにテープが貼ってあるという。

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