俺様外科医は初恋妻に一途な愛を貫く~ドSな旦那様の甘やかし政略結婚~
次の出勤日、朝礼が終わると同時に事務長から「院長室に行くように」と声をかけられた。

お義父さまが私になんの用だろう。

院内で顔を合わせたことは一度もなく、ちょっと緊張しながら医局に向かった。

広くて豪華な院長室に通されると、白衣姿のお義父さまにソファを勧められる。

「隆成を追ってアメリカから女性がやって来たと小耳に挟んでね。新婚早々、不快な思いをさせて申し訳ない」

どうやら用件はエリザさんのことのようだった。

ちなみに隆成さんから、エリザさんは昨日無事にアメリカに帰ったと聞いている。

彼女は隆成さんに滾る想いを伝えてきたそうだが、『俺にはすでに妻がいる。それは君を医局に案内した女性だ』と告げたら、彼女はとても驚いて、存外すんなり諦めたという。『奥さまに謝っておいてね』とかなり面目がなさそうにしていたようで、悪い人ではなさそうだった。

ということで、私と隆成さんの間ではすでに一件落着している。

「隆成には二度と同じようなことがないように、私からきつく言っておいたからね」

どうやらすでに隆成さんも呼び出されていたみたいだ。

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