俺様外科医は初恋妻に一途な愛を貫く~ドSな旦那様の甘やかし政略結婚~
「えっと……私たちはどうしますか?」

ちらっと隆成さんの様子をうかがった。

アシェルさんは気を利かせてくれたのかもしれないけれど、実のところ私たちはふたりで出かけたことすらなくて戸惑ってしまう。まさかそんな珍妙な夫婦がいるとは、彼は想像すらしていないのだろうが。

アシェルさんのアテンドという任務は無事に果たしたし、このまま帰るのだろうか。

「晩飯食べて帰るか」

「え……はい」

誘われ、隆成さんのあとについていった。

向かったのは銀座の一等地にあるビル内のフランス料理店だ。

高層階でエレベーターを降りると、素敵な西洋風の空間が広がっていた。ガラス細工が施された店内も、窓の外の夜景も、どちらもキラキラと輝いている。

個室に案内され、ソムリエ厳選のワインのペアリングをお願いした。

ここのレストランはその日に仕入れた旬の食材を組み合わせて料理を提供するから、詳細なメニュー表は作っていないのだという。

フルコースを選ぶとシェフが好みを聞いてくれたので、ジビエは苦手だと伝える。

食材の調理法は全部お任せした。

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