俺様外科医は初恋妻に一途な愛を貫く~ドSな旦那様の甘やかし政略結婚~
「千里はキスがうまくなったな」

「……隆成さんが毎日するから」

誰ともしたことがなかったのに、全部彼に仕込まれた。触れ合わせ方も息継ぎの仕方も、舌の入れ方も吸い方も。

魅惑的な彼の口づけに、いつも夢中にさせられている。

「煽るなよ。自制が利かなくなるだろ」

「……嘘。本当はまだ余裕なんでしょう?」

「どうしてそう思うんだ?」

「だってずっと……キス以上はしてくれないから」

「それは千里と約束したからな」

隆成さんは動じることなく答えた。

『嫌がっているのに抱く趣味はない。おまえのほうから俺に〝抱いてください〟と哀願してくるまで待ってやる』――そう言われたときは、彼なりの優しさなのだと思った。

でも今ならわかる。

隆成さんは、ものすごくイジワルだ。

「私をじわじわ追い詰めて楽しむなんて……」

「ひどい言われ様だな。千里にも俺を欲しがってもらいたいだけだ」

もし私がここで引き下がったら、隆成さんはどうするつもりなのだろう。

キスだけで今夜も終わるのだろうか。

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