涙ノ結晶

(な、んで唯が聖と…っ?)


隠せない動揺が体に出る。
震えが、止まらない。


今聖と話している唯と
私を捨てた唯が
どうしても一致しない。


『―…私、神宮先輩が好きです!』


(…え?)

困惑している私に、その言葉だけが響いた。
唯が、聖を好き…?


この前、私は聖に全てを話したけれど、唯という名前は出していない。
つまり、友達がという言い方で打ち明けた。


だから、聖からみて唯は全く知らない後輩となる。
…私の知っている限りでは。


返事はというと。
少しの間、私は頭が真っ白になっていたから、聞き取れなかった。


ちょっと落ち着いてからもう一度二人の方に目を向けてみる。



…すると、楽しそうに笑って話している唯と聖が目に写った。


(やだ…やだ…っ!、)


嫌だ、心の中でその言葉だけがリピートされる。


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