身代わり少女は主人を慕う
私は、美晴さんの手を、振り払った。

「いい?これ以上、将吾さんに近づいたら、どうなるか分からないわよ。」

そう言って美晴さんは、鼻歌を歌いながら、自分の部屋へと戻って行った。


たぶん、私達が庭で花を見ていたのを、覗いていたんだわ。

そして、奥様に密告したのも、美晴さん。

なんて、恐ろしい人なんだろう。


それよりも、将吾様との関係が表沙汰になったら、あの人が何をしでかすか、分からない。

怖い。

助けて、将吾様!


そう、心の中で叫んだ時だ。

庭の木の陰から、誰かが手招きをしていた。

「誰?」

「俺だ。」

「将吾様?」

慌てて、木の陰に行くと、そこにははやてがいた。

「なーんだ。はやてだったの。」

「なーんだはないだろう。会いに来ちゃ、ダメなのか?」
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