身代わり少女は主人を慕う
どれくらい歩いただろう。

やっと森を抜けると、開けた町の中に出た。

「僕の家は、あそこだ。」

町の中央に、広い家がある。

「えええーーーーっ!」


あんな広い家、初めて見た。

「驚いた?まあ、周りに畑やたんぼしかないからね。家が大きく見えるんだよ。」

その人はそう言ったけれど、やっぱり見れば見る程、大きな家だ。

「あなたは……お金持ちなんですか?」

「うーん。どうなのかな。まあ、食べる物や着る物には困らないけれどね。」

私は、ゴクンと息を飲んだ。

まさか、ここでタダ働き?

まあ、それでもいいか。

家族が死んで、天涯孤独の見だし。
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