身代わり少女は主人を慕う
「学校は如何でした?」

あれ?さっきと同じ質問。

「……大変、面白い場所でした。」

「まさか、お友達と混ざって、はしゃいだりしていないでしょうね。」

「それはしていません。」

しようにも、誰が友達か分からないし。

「いいですか。外に出た時には、久保利の家の事を考えるのですよ。学校の中でも同じです。行儀よく、愛想よくしているのです。」

「はい。」

なんだか、厳しいようだけど、母ちゃんを思い出すな。

母ちゃんも、『女は素直が一番だからな。』って、言ってたなぁ。

私は思い出し笑いをすると、冷たい視線が上から降って来た。


「これだけは、言っておきますけど。」

「はい?」

その時の視線は、突き刺さる程に、鋭いものだった。

「あなたを受け入れるのも、久保利の家の為ですからね。」
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