拗らせLOVERS
クラスマッチ
碧斗とは1年の時はクラスが別で、ちょっと悲しい思いをしたが、2年になって同じクラスになり、しかも千尋とも同じクラスで本当にラッキーだった

2年生は修学旅行もあるし、とにかくイベントの多い学年なので同じクラスになれた事が本当に嬉しかった

そして今年最初の行事を1週間後にひかえていた

そう、クラスマッチ(球技大会)だ! 

ハンデとしてサッカー部の人はサッカーには出れないし、野球部の人は野球には出れない

サッカー部の碧斗は中学の頃から何時も何故かバスケに出ていた

私もバスケを希望したのにジャンケンに負けて女子サッカーになった

千尋は小学校の頃、お兄さんと一緒にサッカーをやっていたので、もちろん女子サッカーを選んでいた


「陽和、今日も放課後練習するよ!」 
千尋が気合い充分に言った

「え〜」

「何、そのやる気のない顔!」

「だって、練習した所で私上手にならないし」

ハッキリ言って私は運動音痴だった

「何、言ってんの出るからには優勝よ!」



「気合い入ってんな」

後ろから声がしたので振り返ると、碧斗がバスケットボールを片手に立っていた

「桐野くん達、昼休み練習してたの?」

「ああ…」

「どう?優勝出来そう?」

「まあ、俺が足を引っ張んなきゃな」

「桐野くん運動神経いいからバスケも上手いでしょ?」

「いや、サッカー以外ダメだな」

とか言っているが、碧斗はかなり上手いと思う

「俺以外は、もとバスケ部、今は帰宅部の4人だからな」

「優勝候補だね!」
千尋が嬉しそうに言った

「宇梶はサッカーやってたんだろ?」

「小学校の頃ね」

「俺、小学校の頃、宇梶と試合した事あるよな?」

「うん、覚えててくれた?」


何か二人でサッカー談義始めちゃったし、二人で盛り上がってるし…


「陽和はどこやんの?」
碧斗が突然こちらに話をふってきた


「…ぱー」

「え?」

「キーパー!!」

「マジで?!お前がキーパーだったら、点数取られ放題だろ?」
碧斗が少し馬鹿にしたように笑った


「あたしだって、やりたくてやってる訳じゃないよ!ジャンケンに負けたんだよ!」
私は碧斗を睨んだ


「どんだけジャンケン弱いんだよ」
碧斗が呆れて言った


「でも陽和、意外と根性あるからボール止めれるんだよ」

千尋、フォローありがとう
でも嘘はいけない

ボール止めれた事、一度もないから…


碧斗の右手が私の頭上にふわりと落ちる

ポンポン…

「ガンバレよ、応援行くから」
碧斗が優しく笑った


「うん」


そうだね

取りあえずベストをつくしかない!

私は碧斗の応援に答えられるように頑張る事を誓った

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