眠りにつくまで







光里の気配を感じながら家で出来る仕事をする。今は、あるクライアントの過去5年間の決済書等の読み込みをしているのだが、光里の動きが止まったか?

「光里、できた?」
「うん…ちょっと早かったかな?」
「今は…6時か、いいよ。もう腹が減り始めたところ。手、洗ってくる」

腕捲りしたカーディガンの袖を下ろしながらキッチンへ入ると

「おおぉぉ…豪勢だね。和食パーティー?光里、すごいね」

思わず彼女をぎゅっと抱きしめた。

「ありがとう、光里」
「ちょっと多くなっちゃった」
「嬉しいだけだよ。早く運ぶよ。またカウンターに並べようか」

テーブルとカウンターに運び終えたあと

「いただくよ。どうやったらこんなに作れるの?いただきます。」

早速味噌汁を啜る。

「これは?」
「揚げ出し豆腐風。揚げてないから…」
「うまいっ。昨日の味噌汁もだけど、俺、豆腐とネギの組み合わせが好きだな。これは?」
「人参ばっかりごめんね。油揚げと人参のきんぴら。人参5本を昨日と今日で使いきった。これも3日は大丈夫」
「ビタミン摂取だね。ラペもうまかった…あっ、これは全然別物。ご飯に合うな、うまい。これはぶりの照り焼きだね」

かぼちゃ煮と玉子焼きまである和食の数々に箸がとまらない。

「光里の礼がスゴすぎるね。どれもうまい。ヘルシーだし和食最高だね。自分ではパスタかシチューかステーキになるんだよ。あっ、焼きそばとチャーハンも出来る」
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