眠りにつくまで
無事1ヶ月健診を終えて、秋元さんのお宅へお礼に伺う。
「秋元さん、あの日は本当にありがとうございました。無事今日1ヶ月になりました」
「ご主人から無事ご出産されたとは聞いていたんですけど…嬉しい。ちょっと待ってくださいね。シュウさん、今いい?三鷹さんが赤ちゃんと一緒に来て下さって…お名前は?」
「聖斗です」
光里が言ったところへ髭の似合う秋元さんが現れた。
「おめでとうございます。せいとくん?どんな字?」
「聖なるひしゃく…北斗の斗です」
「聖斗くんね。無事生まれてくれてよかったよ」
「本当にありがとうございます。助けて頂きました」
「いえ、もう十分ですよ。元気な顔が見られて良かった」
「三鷹さん、ご主人が大きいから…聖斗くんが生まれたてのように小さく見えるね?シュウさんも大きいからそんな話したことあったけど…」
「そうだな。三鷹さんは俺より大きいからな」
「そうですか…光里、抱く?」
俺の腕にいた聖斗が光里の腕に移ると
「普通サイズだ」
と秋元さんの奥さんがクスクス笑った。そこで光里が遠慮がちに聞く。
「あの…教えて頂きたいんですけど…」
「私たちでわかることなら」
「お子さんの小児科病院はどこか決めておられますか?」
「「なかのこどもクリニック」」
お二人の声が揃い、場所を聞くと
「ああ、前を通ったことあります。歩いて行けますね」
「熱がなければ…予防接種なんかは元気なときなので歩きですね。ホームページから予約ができるので予約されたらいいと思います。すごくいい先生ですよ」
そう教えて頂き光里が安心した様子でまた礼を言ってから帰った。