Again〜今夜、暗闇の底からお前を攫う〜
「綺月」


そろそろ菜穂の勉強会をお開きにしようと、各々立ち上がると同時に、扉を開けてカオルが顔を出す。


「あれ?どうしたの?」

「迎えに来た」

「えー、わざわざ?いいのに」

「近くまで来たから、早く帰るぞ」


奈都が待ってるからとカオルが私を急かす。


「カオルがまさか女を迎えに来る日がくるとは驚きだなー!」


雪希がニヤニヤと笑いながら冷やかす。


「それくらい本気だってことでしょ?」

「お前が今までの女切ったから、俺に近寄って来る女が増えた」


眠っていると思っていた海斗が、寝転がり目を閉じた状態で口だけを動かす。
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